タイニーハウス、暮らしの実例②
前回は、タイニーハウスのライフラインを取り上げました。今回は、安全性や快適性について取り上げてみたいと思います。
タイニーハウスの安全性
真っ先に気になるのは耐震性です。地震が少ないアメリカ中心に広がるタイニーハウスの作りが、そのまま日本で安全と言えるのか?日本では10㎡以内の住宅は、建築基準法適用外(6条の1)のようです。タイニーハウスの標準的なサイズが10㎡以内です。ということは、一般の住宅に求められる耐震性を法的にクリアしている必要がないということでしょうか?(この辺りぼく自身法律に疎くよく分かっていません。)
安さを追求するあまり耐震性の考慮が疎かになってしまっては、タイニーハウスがもつ優れた耐災害性(移動可、軽重量)が薄れてしまいます。東日本大震災の時点ではまだ日本にタイニーハウスはなかったはずですから、あの規模の地震に耐えうるのか、今後タイニーハウスが普及する前に十分に検討されるべきポイントだと感じます。ただ人命に関わるレベルかと言えばノーで、戸建に比べ建材・家財の量は少なく、倒壊による圧死などのリスクははるかに少ないと言えるのではないでしょうか。
台風には耐えうる?
移動型のタイニーハウスは、当たり前ですが基礎工事がなされないので風に対する強度も気になるところです。死者170人超の被害を出した2012年のハリケーンサンディを無傷で乗り越えたタイニーハウスがあったようです。
防犯性は?
普通の物件であれば塀や金属製のドアといった物理的な遮蔽物が犯罪抑止力になり得ますが、タイニーハウスは外的侵入に弱い印象を持ちます。そもそも盗られて困るようなものは、タイニーハウスに入居する段階でだいぶ処分されているのかもしれませんが、何か有効な防犯対策はあるでしょうか?
防犯の実例が不思議なほど検索してもヒットしませんでした。アメリカでは銃が抑止力となっているからでしょうか?対策案についてぼくの個人的見解になりますが、単独ではなく、ある程度のコミュニティを形成し生活することが防犯につながると考えます。単独の場合は、、セコム(シール)、ですかね。余力があれば、防犯センサーやカメラなど一般住宅と同様の防犯グッズ導入も検討の余地ありかと思います。
また、帰ってきたらタイニーハウスがなくなっている!なんて悲しい盗難被害に合う可能性も考えられます。これには下のような対策が効果的に思われます。
保険適用は?
税法上は家でも車でもないですが、火災保険や地震保険で住宅と認められるのか?が気になるところです。アメリカ西海岸でタイニーハウスへの一部保険適用があるという記事がありました。
日本の保険についてWeb上では確かな情報は得られませんでしたが、タイニーハウス所有者の方にお会いする機会があれば突っ込んで聞いてみたいと思います。
タイニーハウスの快適性
寒暖について。タイニーハウスを組み立てるときには、普通の住宅同様断熱材を使うのが一般的なようです。わらを活用する手もありそうですね。
参考) わらの家
リスクは上げればキリはないですが、何か事故や事件があってタイニーハウス普及に陰りが出てしまうのでは、もったいないです。また低炭素社会への移行期と言える今、これはマイナスに働いてしまいます。
よく「日本はすでに省エネ大国で、中国など先進国が温暖化対策をしないと意味はない」といった意見を聞くことがあります。僕は意味がないとは思いません。なぜなら中国の経済発展を支えてきたのは他ならぬ消費大国日本で、日本の大量消費に待ったをかけることは、COPで温室効果ガス削減目標のない発展途上国における温室効果ガス削減に少なからず寄与すると考えているからです。
少し脱線しましたが、タイニーハウスに住みたい者同士が事前にできる災害、防犯対策について共有し合えるコミュニティの醸成は、日本でも今後ますます求められるところかと思います。
ということで、次回は
「日本のタイニーハウスの現状」
について触れたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おまけ
こんな"和"なタイニーハウスに暮らせたら最高です。
Oregon Cottage Company » The latest Cottage the Tiny “Tea House” Cottage